お口がぽかん 子どもの口腔機能発達不全症が全国で増加 昔ながらの遊び減少も原因に
近年、子どもの虫歯の割合が過去最低を記録するなど、歯の健康状態が改善している一方で、新たな問題が全国的に広がっています。それが、無意識に口が開いたままになってしまう「お口ぽかん」の状態、すなわち「口腔機能発達不全症」です。
一見、ただの癖のように思える「お口ぽかん」ですが、実は子どもの成長や健康に様々な悪影響を及ぼす可能性があります。今回は、なぜいまこの症状が増えているのか、その背景と原因について詳しく解説します。
子どもの「口腔機能発達不全症」とは?
口腔機能発達不全症とは、「食べる」「話す」「呼吸する」といった口の働きが、年齢相応に発達していない状態を指します。
歯科医師の指摘によると、正常に発達している子どもに比べて、以下のような異変が見られるケースが増えています。
- あごが小さく、歯が正しく並ぶスペースが足りない
- 口の周りの筋肉が弱く、ろうそくの火を吹き消すことができない
- 食べ物を噛む力が弱く、クチャクチャと音を立てて食べる
増加の原因は「昔ながらの遊び」の減少?
口腔機能の低下を引き起こしている大きな要因の一つとして、「子どもの遊びやライフスタイルの変化」が挙げられています。
かつて日常的に行われていた、以下のような「昔ながらの遊び」は、自然と口の周りの筋肉(口輪筋など)やあごを鍛えるトレーニングになっていました。
口周りを鍛えていた昔の遊びの例
- シャボン玉・吹き戻し: 息を強く、または細くコントロールして吹くことで口元が鍛えられる
- 風船ガム: 噛む力だけでなく、舌の細かい動きや唇の筋力が必要とされる
しかし現在では、スマートフォンやタブレット端末、ゲーム機の普及により、画面をじっと見つめる受動的な遊びが増加。さらに、これらを長時間使用することで生じる「姿勢の悪化」も、口が開きやすくなる(口呼吸になる)原因となっています。
「お口ぽかん」がもたらすリスク
「お口ぽかん」をそのまま放置してしまうと、単に見た目の問題だけでなく、以下のような健康上のリスクを引き起こす可能性があります。
- 歯並びの悪化: 唇の圧迫がないため、前歯が前方に出やすくなる(出っ歯など)
- 風邪やアレルギーのリスク増: 口呼吸になると、鼻のフィルターを通さずにウイルスや細菌が直接体内に侵入する
- 口臭や虫歯の増加: 口内が乾燥することで、唾液による自浄作用が低下する
まとめ:家庭でできる対策
子どもの健康な体作りのためにも、日頃から「お口ぽかん」になっていないか意識して見守ることが大切です。
家庭でも、食事の際によく噛む必要な食材(根菜類や少し硬めのもの)を取り入れる、親子でシャボン玉や風船を使って遊ぶといった小さな工夫から、口周りの筋肉を育てる習慣をつけていきましょう。もし気になる場合は、小児歯科や矯正歯科など専門の医療機関に一度相談してみることをおすすめします。
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