CO2を回収する車

走行中に二酸化炭素(CO2)を自ら回収し、走れば走るほど地球をきれいにする「車載CO2回収技術(モバイル・カーボン・キャプチャー)」の開発が、日本の自動車メーカーを中心に急速に進んでいます。 従来の「CO2排出ゼロ(カーボンニュートラル)」を超えて、排出量よりも多くのCO2を削減するカーボンネガティブの実現を目指す画期的な試みです。

主な自動車メーカーの取り組みや仕組みは以下の通りです。

🚗 各メーカーの主な取り組み

  • マツダ(MAZDA)
    「マツダ モバイル カーボン キャプチャー」と呼ばれる装置を開発し、耐久レースの場(MAZDA3など)で実証実験を重ねています。2026年6月のレースでは、24時間で804gのCO2をタンクに貯蔵することに成功しました。バイオ燃料と組み合わせることで一時的なカーボンネガティブを達成しており、2035年頃の実用化を目指しています。
  • トヨタ(TOYOTA)
    水素エンジンを搭載した「水素カローラ」のフロント部分にCO2を吸着するフィルターを設置し、レース現場で実証実験を行いました。外部のファンを使わず、エンジンが本来持つ「空気を吸い込む力」と「エンジンの熱」だけを利用して効率的に大気中のCO2を回収する点が特徴です。
  • スズキ(SUZUKI)
    軽トラックの排ガスからCO2を分離・回収する装置を開発し、展示会などでお披露目しています。回収したCO2を農業(ビニールハウスの光合成促進など)に活用する循環型ビジネスモデルを見据えています。

💡 CO2を回収する仕組み(マツダの例)

車載の回収システムは、主に以下のプロセスでCO2を捕まえて貯蔵します。

  1. 高濃度な排ガスに注目:大気中から集めるよりも、CO2濃度が約300倍高い「エンジンの排気ガス」から回収する方が効率が良いため、排気経路に装置を配置します。
  2. ゼオライトに吸着:排ガスを冷却し、「ゼオライト」と呼ばれる多孔質素材にCO2を吸着させます。
  3. 排熱で分離・貯蔵:ゼオライトが「熱するとCO2を離す」性質を利用し、走行中のエンジンの排熱で温めてCO2を分離させ、専用の車載タンクに集めます。
  4. 再資源化:回収したCO2は、ガソリンスタンドでの給油時などにタンクごと交換され、セメントやプラスチック、肥料の原料として再利用される計画です。

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